危険物乙4:熱と静電気について徹底解説!超頻出分野なので必ず対策しましょう

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今回は危険物乙4の「基礎的な物理学及び基礎的な化学」の試験範囲である「熱と静電気」を取り上げます。

※「危険物乙4の物理化学は難しい?過去問や覚え方・ポイントや計算問題は?」もぜひ合わせてご覧ください。

熱と静電気は危険物乙4の超頻出分野なので、必ず勉強・対策しておきましょう。

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熱容量と比熱

まずは熱全般についてまとめて解説していきます。

本記事で取り上げるのは以下の3つです。

  • 比熱
  • 熱の移動
  • 熱誇張

これらに関係するのは温度です。

まず、物質の温度の上がり方は物質の比熱によって決まります。

また、比熱から物質の温度を上げるために必要な熱の量がわかります。

熱量と熱容量

高温の物質と低温の物質が接触すると、高温の物質から低温の物質に熱エネルギーが伝わります。

この熱エネルギーの量を熱量といい、物質の温度を1℃上げるために必要な熱量を熱容量といいます。

どちらも、エネルギーの単位ジュール(J)を用いて表します。

見かけ上、熱エネルギーの移動が起こらなくなった状態を熱平衡といいます。

比熱と熱容量

質量1gの熱容量をその物質の比熱といいます。

言い換えると、比熱は、物質1gの温度を1℃上げるための熱量のことです。

比熱の単位はJ/(g・℃)です。

質量m(g)の物質の比熱をc(J/(g・℃))とすると、熱容量C(J/℃)は以下の式で表すことができます。

熱容量=比熱 × 質量

C=c×m(J/℃)・・・(1)

上記の式より、比熱が大きい物質は大きな熱容量を必要とするため、温まりにくく冷めにくいことがわかります。

また、質量m(g)の物質の温度がt1(℃)からt2(℃)に変化した場合、この物質に出入りする熱量Q(J)を求める式は以下のようになります。

熱量=熱容量 × 温度変化=比熱 × 質量 × 温度変化

Q=C×(t2-t1)=c×m×(t2-t1)(J)・・・(2)

ではここで、比熱が2.5J/(g・K)の液体100gの温度を10℃から30℃まで上昇させるために必要な熱量を計算してみましょう。

物質の比熱2.5J/(g・K)、質量100g、元の温度10℃(283K)、上昇後の温度30℃(303K)を上記(2)の式にあてはめます。

すると、

Q=C×(t2-t1)=c×m×(t2-t1)(J)

=2.5(J/(g・K))×100(g)×(303-283)(K)

=2.5×100×20(J)

=5,000J=5.0[kJ]・・・(答)となります。

比熱の単位には「K」(ケルビン)が使用されていますが、温度変化の割合は「℃」も「K」も同じなので、どちらの単位であっても温度の差にあてはめる数値は同じです。

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熱の移動

熱の移動の仕方には以下の3つがあります。

  • 伝導
  • 対流
  • 放射(ふく射)

それぞれについて詳しく解説していきます。

伝導

熱が物質の中を次々に伝わっていく現象を伝導といいます。

フライパンを熱すると取っ手まで熱くなるのは、伝導による現象です。

熱をよく伝える物質を熱の良導体といい、熱を伝えにくい物質を熱の不良導体といいます。

熱の伝導のしやすさは物質によって異なり、伝導の度合いを表す数値は熱伝導率(熱伝導度)と言われています。

危険物乙4を受験予定の人は以下の5つを理解しておきましょう。

1:熱伝導率が大きいほど熱が伝わりやすく、熱伝導率が小さいほど熱が伝わりにくい。

2:熱伝導率は、一般に固体、液体、気体の順に小さくなる。

3:金属は、熱伝導率が大きく、熱をよく伝える熱の良導体である。

4:液体や気体は、熱伝導率が小さく、熱を伝えにくい熱の不良導体である。

5:固体であっても粉末になると、見かけの熱伝導率が小さくなる。熱が逃げずに蓄積されるため、発火の危険性が高くなる。

対流

液体や気体は部分的に温度が上がると、その部分の密度(比重)が小さくなり上昇しはじめます。

上昇した部分には密度が大きい部分が流れ込みます。

このように、温度差によって液体や気体が移動し、熱が運ばれる現象を対流といいます。

お風呂などで湯を混ぜずにいると、上が温かく下が冷たくなっているのは対流の現象です。

対流現象は液体と気体に起こる現象で、固体では起こりません。

放射(ふく射)

高温の物体から出る光としての熱エネルギーを吸収して、この熱エネルギーのあたる部分の温度が上がることを放射といいます。

※放射はふく射とも呼ばれています。

この熱エネルギーを放射熱(ふく射熱)といいます。

日光やストーブにあたると、暖かく感じるのは放射による現象です。

熱膨張

物質は温度が高くなると膨張します。この現象を熱膨張といいます。

1℃(K)当たりの膨張する割合を熱膨張率といい、単位はK-1です。

温度上昇に伴う長さの変化を線膨張といい、体積の変化を体膨張といいます。

それぞれの割合は、線膨張率(K-1)、体膨張率(K-1)で表します。

気体や液体では体膨張だけを考えれば十分です。

温度上昇に伴って固体や液体の体積がどのくらい膨張するかは以下の式で表します。

※元の体積をV0、体膨張率をa(K-1)とし、温度がt(℃またはK)上昇したときの体積をVとします。

膨張後の体積=元の体積×(1+体膨張率×温度変化)

V=V0×(1+a×t)

では、上記の式をもとに、内容積1,000Lのタンク内を満たしている液温15℃のガソリンを35℃まで上げた場合、タンク外に流出する量を計算してみましょう。

※ガソリンの体膨張率は1.35×10-3K-1とし、タンクの膨張やガソリンの蒸発は考えないものとします。

温度上昇後の体積V、V0=1,000L、t=35℃-15℃=20℃(K)、ガソリンの体膨張率1.35×10-3K-1を上記の式にあてはめると、

V=V0×(1+a×t)

=1,000(L)×(1+1.35×10-3(K-1)×20(K))

=1,000(L)+27(L)=1,027(L)

となるので、タンク外に流出する量=1,027L-1,000L=27[L]・・・(答)

となります。

体膨張率の単位で、10-3とは1/1,000を表し、K-1とは1/Kを表します。

気体の体膨張率(K-1)は、液体や固体の体膨張率に比べて大きいといえます。

シャルルの法則より、一定質量の気体の体積は、温度が1℃上昇すると0℃のときの体積の約1/273ずつ増加します。

※シャルルの法則について詳しく学習したい人は「危険物乙4:密度と比重・気体の性質をわかりやすく解説!試験頻出なので必見です」をご覧ください。

つまり、気体の体膨張率はほぼ一定で、0℃の体積を基準に1℃あたり1/273(0.00366)です。

静電気とは?

ここからは静電気のパートになります。

動いている電気を電流というのに対して、静止状態の電気を静電気といいます。

第4類などの引火性液体は、静電気が発生しやすい危険物なので、取扱いには注意が必要です。

一般に、電気を通しやすい物質を導体といい、電気を通さない物質を不導体(絶縁体)といいます。

電気の通しやすさは、電気伝導率で表します。

静電気は、一般に電気的に絶縁された(不導体)2つの異なる物質が接触すると、一方が正(+)の電荷を帯び、他方が負(-)の電荷を帯びることによって発生します。

帯電現象
接触帯電2つの異なる物質が接触したあと、離れることにより帯電する現象。日常経験する最も一般的な静電気の原因で、摩擦電気ともいわれる。
流動帯電容器内や管内を液体が流動する際に帯電する現象。
噴出帯電液体が高速でノズルから噴出する際に帯電する現象。

可燃物が静電気を帯びているだけでは火災は発生しませんが、静電気が蓄積して放電火花が生じると、この放電火花が点火源となり、火災が発生する場合があります。

静電気が放電するときは火花エネルギーまたは放電エネルギーを放出します。

放電エネルギーは、「1/2×静電容量×電圧2」の式で計算することができます。

静電気の発生のしやすさと防止方法

静電気の発生・蓄積のしやすさと、その防止方法は以下表の通りです。

静電気の発生・蓄積のしやすさ静電気の発生・蓄積防止策
接触・摩擦• 2つ以上の物質が接触(摩擦)、はく離したときに発生しやすい。• 接触やはく離の回数を減らす。
• 接触する物質を選択する。
• 接触面積を小さくする。
• 接触圧力を低くする。
流動・流速• 液体が管内を流れるとき、流れが乱れていたり、高速で流れたりすると静電気が発生しやすい。
• 第4類の危険物の引火性液体を移動(運搬・移送)させると、かくはんが原因で流体摩擦が起こり、静電気が発生する。
• ガソリンなどの給油(注油)ホースでも静電気は発生する。
• 配管径を大きくするなどして流速を低く(遅く)する。
• 静置するなど緩和時間をおいて放電させる。
• 帯電を除去するアース(接地)などの措置をする。
• 給油ホースでは導電体として導線やカーボンブラックの入ったホースを使用する。
電気伝導率(絶縁性)• 電気伝導率が小さい(不導体)物質では発生しやすい。
• 絶縁性の高い物質ほど発生・蓄積しやすい。
• 作業着は、綿製品よりも合成繊維製品のほうが、保有水分が少ないため、帯電しやすい。
• 電気伝導率が大きい物質(導体)では静電気は移動して蓄積しない。
• 空気をイオン化して、電気伝導率を大きくする。
• 導電性材料を使用する。
•帯電防止加工を施した衣類などを着用する。
• 除電剤を使用する(導電剤の塗布や添加)。
湿度•湿度が低下すると、空気の電気伝導性が小さくなって静電気を発生しやすい。• 湿度を約75%以上に上げる(空気中の水分を通して放電できる)。

以上

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