
本記事では危険物乙4の「危険物に関する法令」で出題される製造所等の区分と申請・届出の手続きとは何かについてわかりやすく解説していきます。
※「危険物に関する法令」の詳細は「危険物乙4の法令の覚え方とポイントまとめ!過去問題40問付き!」をご覧ください。
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貯蔵・取扱いの原則とは?
指定数量以上の危険物を貯蔵し、または取り扱う施設を製造所等といいます。
消防法では、製造所等以外の場所で指定数量以上の危険物を貯蔵し、または取り扱うことは禁止されています。
指定数量以上の危険物を貯蔵し、または取り扱う製造所等を設置しようとする者は、市町村長、都道府県知事、総務大臣のいずれかの許可を受けなければなりません。
ただし、事前に所轄消防長または消防署長の承認を受ければ、10日以内に限り、製造所等以外の場所で指定数量以上の危険物を仮に貯蔵し、または取り扱うことができます。
これを仮貯蔵・仮取扱いと言うので、必ず覚えておきましょう。
製造所等の区分について
指定数量以上の危険物を貯蔵し、または取り扱う製造所等には
- 製造所
- 貯蔵所
- 取扱所
があります。
このうち、貯蔵所は
- 屋内貯蔵所
- 屋外タンク貯蔵所
- 屋内タンク貯蔵所
- 地下タンク貯蔵所
- 簡易タンク貯蔵所
- 移動タンク貯蔵所
- 屋外貯蔵所
の7つに区分されており、取扱所は、
- 給油取扱所
- 販売取扱所
- 移送取扱所
- 一般取扱所
の4つに区分されています。
製造所等の概要
製造所、貯蔵所、取扱所の概要は以下の表の通りです。
施設 | 概要 | |
---|---|---|
製造所 | 危険物を製造する施設 | |
貯蔵所 | 屋内貯蔵所 | 屋内の場所で危険物を貯蔵し、または取り扱う貯蔵所 |
屋外タンク貯蔵所 | 屋外にあるタンクで危険物を貯蔵し、または取り扱う貯蔵所 | |
屋内タンク貯蔵所 | 屋内にあるタンクで危険物を貯蔵し、または取り扱う貯蔵所 | |
地下タンク貯蔵所 | 地盤面下に埋没されたタンクで危険物を貯蔵し、または取り扱う貯蔵所 | |
簡易タンク貯蔵所 | 簡易タンク(1基600L以下)で危険物を貯蔵し、または取り扱う貯蔵所 | |
移動タンク貯蔵所 | 車両に固定されたタンクで危険物を貯蔵し、または取り扱う貯蔵所 | |
屋外貯蔵所 | 屋外の場所で、次の危険物を貯蔵し、または取り扱う貯蔵所 ●第2類の危険物のうち、硫黄、硫黄のみを含有するもの、もしくは引火性固体(引火点が0℃以上のものに限る) ●第4類の危険物のうち、第1石油類(引火点が0℃以上のものに限る)、アルコール類、第2石油類、第3石油類、第4石油類、動植物油類 | |
取扱所 | 給油取扱所 | 給油設備によって自動車等の燃料タンクに直接給油するため危険物を取り扱う取扱所。次の施設も給油取扱所に含まれる。 ●灯油または軽油を容器に詰め替える取扱所 ●固定注油設備によって、車両に固定された容量4,000L以下のタンクに注入するため危険物を取り扱う取扱所 |
販売取扱所 | 店舗で危険物を容器入りのまま販売する取扱所 ●第1種販売取扱所:指定数量の倍数が15以下 ●第2種販売取扱所:指定数量の倍数が15を超え40以下 | |
移送取扱所 | 配管、ポンプ、およびこれらに附属する設備によって危険物の移送の取扱いを行う取扱所(パイプライン) | |
一般取扱所 | 給油取扱所、販売取扱所、移送取扱所以外の取扱所 |
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手続きの種類と手続き先
製造所等が行う手続きには、申請と届出があり、手続きの種類によって手続き先も規制の度合いも異なります。
手続きは以下の表のように、製造所等の区分と設置場所によって定められた権限者に対して行わなければなりません。
権限者は市町村長、都道府県知事、総務大臣(以下「市町村長等」とする)のいずれかです。
製造所等 | 製造所等の設置場所 | 権限者 |
---|---|---|
移送取扱所を除く製造所等 | 消防本部および消防署を置く市町村の区域 | その区域を管轄する市町村長 |
消防本部および消防署を置く市町村以外の区域 | その区域を管轄する都道府県知事 | |
移送取扱所 | 消防本部および消防署を置く1つの市町村の区域 | その区域を管轄する市町村長 |
消防本部および消防署を置く市町村以外の区域、または2つ以上の市町村の区域にまたがって設置する場合 | その区域を管轄する都道府県知事 | |
2以上の都道府県の区域にまたがって設置する場合 | 総務大臣 |
申請の種類について
申請には許可、検査、承認、認可があり、それぞれの内容は以下の通りです。
- 許可:製造所等の設置・変更
- 検査:完成検査前検査、完成検査
- 承認:仮貯蔵・仮取扱い、仮使用
- 認可:予防規程の制定・変更
それぞれの詳細は以下です。
許可
製造所等を設置しようとする者や、製造所等の位置、構造、設備を変更しようとする者は、工事の着工前に市町村長等の許可権限者に対して許可の申請をしなければなりません。
許可権限者の許可が下りなければ、工事に着工することはできません。
検査
製造所等が受ける検査には、完成検査や完成検査前検査などがあります。
<完成検査申請>
製造所等の設置・変更工事がすべて完了した時点で完成検査を申請し、完成した施設が技術上の基準に適合しているかどうかの検査を受けなければなりません。
市町村長等によって、施設が技術上の基準に適合していると認められた場合は、完成検査済証が交付されます。
この完成検査済証の交付後、製造所等を使用することができます。
<完成検査前検査申請>
指定数量以上の液体の危険物を貯蔵し、または取り扱うタンクを設置・変更しようとする場合は、全体の完成検査を申請する前に完成検査前検査を申請しなければなりません
承認
権限者の承認が必要な申請には、仮貯蔵・仮取扱いと仮使用があります。
<仮貯蔵・仮取扱い>
製造所等を設置しようとする者は、市町村長等の許可を受けなければ、危険物を貯蔵し、または取り扱うことはできませんが、前述のように、事前に所轄消防長または消防署長の承認を受ければ、10日以内に限り、製造所等以外の場所で指定数量以上の危険物を仮に貯蔵し、または取り扱うことができます。
<仮使用>
製造所等の位置、構造、設備を変更する場合、変更工事の対象となる部分以外の全部または一部を仮に使用しようとする者は、市町村長等に承認申請をすることができます。
市町村長等の承認を受ければ、変更工事部分の完成検査前に、変更工事部分以外の全部または一部の仮使用が認められます。
認可
政令で定める製造所等において、予防規程を制定したり、変更したりする場合は、市町村長等の認可を受けなければなりません。
届出について
製造所等の所有者、管理者または占有者(以下「所有者等」とする)などには、以下の表のような届出が義務づけられています。
届出 | 内容 | 手続き先 |
---|---|---|
製造所等の譲渡または引渡 | 製造所等の譲渡または引渡があった場合は、譲受人または引渡を受けた者は許可を受けた者の地位を承継し、遅滞なく届け出なければならない。 | 市町村長等 |
危険物の品名、数量または指定数量の倍数の変更 | 製造所等の位置、構造、設備を変更せずに、貯蔵または取り扱う危険物の品名、数量または指定数量の倍数を変更しようとする者は、変更しようとする日の10日前までに届け出なければならない。 | |
製造所等の用途の廃止 | 製造所等の用途を廃止した場合は、その所有者等は遅滞なく届け出なければならない。 | |
危険物保安監督者の選任・解任 | 危険物保安監督者を定めた場合や解任した場合は、製造所等の所有者等は、遅滞なく届け出なければならない。 | |
危険物保安統括管理者の選任・解任 | 危険物保安統括管理者を定めた場合や解任した場合は、製造所等の所有権者等は、遅滞なく届け出なければならない。 |
手続きの規制の度合いは、
- 許可
- 承認
- 検査
- 認可
- 届出
の順番で緩くなります。
つまり、許可は申請手続き後許可が下りるまで何もすることができませんが、届出は手続きだけをすれば問題ないということです。
以上
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