
危険物乙4の物理・化学において化学反応式・熱化学方程式は非常に重要な分野の1つです。
※物理・化学の詳細は「危険物乙4の物理化学は難しい?過去問や覚え方・ポイントや計算問題は?」をご覧ください。
本記事では危険物乙4について日本トップレベルに詳しい私カイトが、危険物乙4の化学反応式・熱化学方程式と反応速度・化学平衡とは何かについてわかりやすく解説していきます。
危険物乙4を受験予定の人は必ず理解しておきましょう。
ちなみにですが、危険物乙4にはたった10時間の勉強で合格できる方法があります。
これさえあれば限りなく少ない努力で合格に大きく近づきます。
これは私が5年以上も危険物乙4の研究を続ける中で生み出した、どの本にも載っていない超コスパの良い究極の勉強法です。
興味ある人はぜひ以下のボタンからその方法をチェックしてください。
化学反応式とは?
元素記号を組み合わせて物質の構造を表したものを化学式といいます。
化学式を使って化学反応を表したものが化学反応式です。
化学反応式で大事なのは、左辺と右辺の原子の数が同じであることです。
原子の数を同じにするためにつける数値を係数といいます。
例として、以下の化学反応式を見てみます。
2H2+O2→2H2O
水素分子と水分子につけた数値が係数となります(1は省略)
水素原子(H)は、左辺も右辺も4個になっていることがわかります。
また、酸素原子(O)も、左辺・右辺ともに2個になっていることがわかります。
化学反応式は反応する物質と生成する物質の化学式を示しているだけではありません。
反応の前後での各物質の質量の関係や体積の関係も表しています。
まずは質量の関係について、水素と酸素が反応して水ができるときの化学反応式で説明します。
2H2+O2→2H2O
各分子の係数がモル数の関係を示します。
上記の化学反応式は、水素2molと酸素1molから、水2molが生成することを表しています。
同時に、この化学反応式は、水素4gと酸素32gから水36gが生成することも示しています。
つまり、反応物の質量の総和と生成物の質量の総和は等しくなる(質量保存の法則という)ことがわかります。
続いては体積の関係に関する説明です。
窒素と水素が反応してアンモニアができるときの反応式は以下のように書きます。
N2+3H2→2NH3
この化学反応式は、窒素1molと水素3molからアンモニア2molが生成することを表していると同時に、標準状態の気体の体積として窒素22.4Lと水素67.2L(22.4L×3)からアンモニア44.8L(22.4L×2)が生成することを表しています。
体積比でいうと、窒素1と水素3が反応して、アンモニア2が生成することも示しています。
つまり、気体の化学反応式の各気体の係数の比は体積比を示します。
🔽 本にも載ってない極秘情報 🔽
熱化学方程式とは?
物質の化学反応では、ほとんどの場合に熱の出入りを伴います。
化学反応において、1molの反応物質が発生または吸収する熱量を反応熱といいます。
熱を発生する場合が発熱反応、熱を吸収する場合が吸熱反応です。
反応熱には以下の表のように、燃焼熱、生成熱、中和熱、溶解熱などがあります。
反応熱の種類 | 内容 |
---|---|
燃焼熱 | 1molの物質が酸素と反応して完全燃焼するときに発生する熱量。 |
生成熱 | 化合物1molが構成元素の単体から生成するときに出入りする熱量。 |
中和熱 | 酸と塩基の中和で1molの塩と水が生成するときに発生する熱量。 |
溶解熱 | 1molの物質が多量の溶媒に溶解するときに出入りする熱量。 |
反応熱と熱化学方程式
反応熱を加えた反応式を熱化学方程式といいます。
熱化学方程式では、両辺を「=」で結び、発熱反応の場合は発生する熱量を「+」、吸熱反応の場合は吸収する熱量を「-」で表します。
例えば、水素と酸素が反応して水を生成するときの熱化学方程式は、以下のようにかきます。
H2 + 1/2 O2 = H2O + 242.8kJ
この熱化学方程式からは、以下2つのことがわかります。
- この反応は、生成熱が「+」で示されており、発熱反応である。
- 水素1molが完全燃焼するときは、242.8kJの熱が発生する。
一方、水を電気分解する場合は、以下の熱化学方程式で示すように、242.8kJに相当する分解熱を与える必要があります。
H2O = H2 + 1/2 O2 – 242.8kJ
以上2つの熱化学方程式から、生成熱と分解熱は同じであることがわかります。
つまり、反応物と生成物が同じ物質であれば、反応熱は一定です。
ただし、水の電気分解は「-」で示される吸熱反応です。
同じ水素と酸素が関わる化学反応式と熱化学方程式とでは係数が異なることに注目してください。
反応熱は注目する物質1mol当たりの値で示すため、他の物質の係数が分数になることがあるからです。
反応速度とは?
化学反応には反応の速度があり、化学平衡という状態があります。
反応の速さを反応速度といい、単位時間当たりの反応物質の濃度変化で表します。
反応速度は、活性化エネルギーの大小によって決まります。
活性化エネルギー
化学反応は、反応物から生成物に変化するときにエネルギーの高い活性化状態を経て進行します。
この状態を超えるのに必要な最小のエネルギーを活性化エネルギーといいます。
活性化エネルギーが小さければ、反応は速くなります。
反応速度に関与する条件
反応速度は、濃度、圧力、温度、触媒の有無などによって変化します。
危険物乙4を受験する人は、以下2つの事柄を理解しておきましょう。
- 濃度・圧力・温度が高いほど反応は速くなる。
- 触媒は、活性化エネルギーを小さくする働きをし、反応を速くする。逆に、反応を遅くするための触媒を負触媒という。触媒は反応前後で自らは変化しない。
化学平衡とは?
化学反応において、左辺から右辺に進行する反応(正反応)の速さと、右辺から左辺に進行する反応(逆反応)の速さが等しくなり、見かけ上反応が進行していない状態を化学平衡といいます。
一般に化学平衡は、濃度、圧力、温度を変えると、その変化による影響を緩和する方向に平衡が移動して、新しい平衡状態になります。
ただし、化学平衡においては、触媒によって化学平衡が変化することはありません。
例として、窒素と水素からアンモニアができる化学反応で、平衡移動をみてみましょう。
N2+3H2 ⇄ 2NH3(化学反応式)
N2+3H2=2NH3+92kJ(熱化学方程式)
<濃度>
左辺のN2を加えると、N2の濃度を減少するよう左辺から右辺へ進む反応の割合が増加(平衡が移動)する。
逆に、左辺のN2を減少させると、N2の濃度を増加させるよう右辺から左辺の方向に平衡が移動する。
<圧力>
圧力を高くすると、気体分子の総数(左辺は4分子、右辺は2分子)の少ない方向、つまり、左辺から右辺に平衡が移動する。
逆に、圧力を低くすると、気体分子の総数の多い方向、つまり、右辺から左辺に平衡が移動する。
<温度>
熱化学方程式で示す発熱反応の場合は、温度を下げて冷却すると、発熱反応の方向、つまり、左辺から右辺に平衡が移動する。
逆に、温度を上げて加熱すると、吸熱の方向、つまり、右辺から左辺に平衡が移動する。
以上
🔽 本にも載ってない極秘情報 🔽