危険物乙4:燃焼の基礎理論と燃焼のしかた・燃焼の難易について徹底解説!頻出分野なので対策必須です

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今回は危険物乙4の物理・化学の試験範囲に含まれている燃焼の基礎理論や燃焼のしかた、燃焼の難易を取り上げます。

※物理・化学の詳細は「危険物乙4の物理化学は難しい?過去問や覚え方・ポイントや計算問題は?」をご覧ください。

燃焼は危険物乙4の頻出分野なので、優先度を高めて勉強してください。

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燃焼とは?

熱と光の発生を伴う酸化反応を燃焼といいます。

燃焼によってできた化合物が酸化物です。

たとえば、炭素と水素を含む有機化合物(有機物ともいう)が完全燃焼すると、燃焼熱と炎の発生を伴い、炭素と水素の酸化物である二酸化炭素と水が生じます。

燃焼の四要素

燃焼が起こるには、可燃物(可燃性物質)、酸素供給体、点火源(熱源)の3つの要素が同時にそろっていなければなりません。

この3つを燃焼の三要素といいます。

燃焼の三要素の1つでも欠ければ、燃焼は起こりません。

燃焼の三要素があろうと燃焼が起こりますが、それだけでは爆発のように一瞬で終わることがあります。

燃焼の4番目の要素として、燃焼の継続を加え、これを含めて燃焼の四要素といいます。

燃焼の三要素をそれぞれ詳しく解説します。

可燃物

可燃物とは、酸化されやすい物質のことです。酸化されやすい物質には、木材や紙、石炭、ガソリンなどがあります。

有機物はほとんどが可燃物で、硫黄も可燃物です。

燃焼では、高温で酸素と反応するため、可燃物は、それ以上酸化されない安定した酸化物に変わります。

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酸素供給体

燃焼に必要な酸素を与える物質が酸素供給体です。

酸素供給体の代表的なものとしては以下のような物質があります。

• 空気。空気には体積の約20%を占める酸素が含まれる(酸素濃度20%)。

• 化合物の中に酸素を含む第1類の危険物の酸化性固体や第6類の危険物の酸化性液体。

また、第5類の危険物の自己反応性物質は、内部に酸素を含むため、酸素の供給がなくても燃焼します。

燃焼に必要な酸素の濃度

酸素があれば燃焼するというわけでなく、ある濃度以上の酸素がなければ燃焼は起こりません。

この酸素の濃度を限界酸素濃度(%)といいます。

消火に不燃性の二酸化炭素を放出して使用する場合は、酸素濃度を14~15%以下に希釈すると燃焼しなくなります。

酸素の性質

酸素の性質をまとめると以下のようになります。

• 蒸気比重:1.105

• 融点:-218℃

• 沸点:-183℃

• 色・におい:無色(液体酸素は淡青色)、無臭

• 水にあまり溶けない。

• 実験的には、過酸化水素(第6類の危険物)を分解して得られる。

• 酸素自体は不燃性であるが、支燃性(助燃性)がある。酸素濃度が高くなると可燃物の燃焼速度は速くなり、燃焼温度も高くなって、激しく燃焼する。

• 白金、金、銀、不活性ガス(窒素など)などとは直接化合しない。

点火源(熱源)

点火源(熱源)とは、可燃物と酸素が結びついて燃焼(酸化反応)を起こすのに必要な着火エネルギーのことです。

点火源(熱源)には炎や熱などはもちろん、電気や静電気による火花や、自然発火における酸化熱の蓄積も含まれます。

ちなみにですが、「熱」がついても、物理変化に伴う融解熱や凝固熱、気化熱などは、点火源にはなりません。

完全燃焼と不完全燃焼

燃焼には、完全燃焼と不完全燃焼があります。

また、可燃物の三態により、燃焼のしかたに違いがあります。

気体、液体、固体にかかわらず、燃焼の際、酸素の供給が十分であれば完全燃焼し、不十分であれば不完全燃焼を起こします。

炭素は、完全燃焼であれば二酸化炭素になり、不完全燃焼であれば一酸化炭素が生じます。

不完全燃焼では、炭素の微粒子である煤を生じることもあります。

<一酸化炭素と二酸化炭素の比較>

一酸化炭素二酸化炭素
常温の形状無色、無臭の気体無色、無臭の気体
蒸気比重0.971.53
燃焼性空気中で青白い炎を上げて燃える燃えない
毒性有毒一酸化炭素のような毒性はない
水溶性ほとんど溶けないかなり溶ける(水溶液は弱酸性)
酸化・還元性還元性酸化性

燃焼の種類

可燃物が気体か、液体か、固体かによって燃焼のしかたが異なります。

気体の燃焼

気体の燃焼には、予混合燃焼と拡散燃焼があります。

予混合燃焼では、プロパンガスのような可燃性気体と空気があらかじめ燃焼可能な濃度の範囲内の混合ガスを形成したところで着火します。

予混合燃焼は、炎の伝播、温度や圧力の上昇がきわめて速く、音(爆音)を伴って燃焼します。

いわゆる、爆発です。

拡散燃焼では、ガスコンロやバーナーように、可燃性気体が連続的に供給され、空気と混合しながら燃焼可能な濃度の範囲に達して炎を出して燃焼します。

液体の燃焼

液体の燃焼は、液体が直接燃えるのではなく、液面から蒸発した可燃性気体が空気と混合して燃焼します。

これを蒸発燃焼といいます。

第4類の危険物の燃焼は、すべて蒸発燃焼です。

固体の燃焼

以下の表のように、固体の燃焼には、表面燃焼、分解燃焼、蒸発燃焼があり、分解燃焼のうち、酸素を含有する物質の燃焼を自己燃焼といいます。

<固体の燃焼>

燃焼の種類燃焼のしかた物質例
表面燃焼表面で直接酸素と反応して、高温を保ちながら燃焼する。木炭、コークス、練炭
分解燃焼加熱により分解されて発生する可燃性気体が燃焼する。木材、石炭、プラスチック
自己燃焼分子内に多くの酸素を含むものは空気がなくても分解して燃焼する。内部燃焼ともいう。ニトロセルロース、セルロイド
蒸発燃焼加熱により液体となり、液面から蒸発した気体が燃焼する。また、昇華性の可燃性固体は、固体から直接気体になって燃焼する。固形アルコール(引火性固体)、硫黄、ナフタリン

燃焼のしやすさ

燃焼の難易とは、燃焼しやすいか・しにくいかということです。

燃焼の難易には、発熱量や熱伝導率などが関係します。

燃焼のしやすさは、物質の性状や周囲の条件によって決まります。

性状や条件による燃焼のしやすさは以下の通りです。

• 酸化されやすいものほど燃焼しやすい。

• 発熱量(燃焼熱)が大きいほど温度が上がり、燃焼しやすい。

• 可燃性気体を発生しやすい物質ほど燃焼しやすい。

• 熱伝導率が小さいほど温度が上がり、燃焼しやすい。熱伝導率が小さい(伝導速度が遅い)物質は、加熱されると熱が移動しにくく熱が逃げずに温度が上昇して引火点や発火点に達する危険性が高くなる。また、固体であっても粉末になると、隙間が生じるため見かけの熱伝導率が小さくなり、危険性が高まる。

• 可燃物の粒子が小さいほど表面積が大きくなり、空気との接触面積が増えるため燃焼しやすい。たとえば、微粉状の固体や霧状の液体では、表面積が大きくなると熱の交換がよくなり、加熱時の温度上昇が速くなる。また、粒子が小さくなると熱容量が小さくなり温度が上昇しやすい。

• 乾燥しているほど水分が少なく燃焼しやすい。

• 周囲の温度が高いほど燃焼しやすい。

• 蒸気圧が高いほど気体になりやすく(蒸発しやすく)、また、多くの蒸気を発生し、燃焼しやすい。

以上の燃焼のしやすさを表にまとめると以下のようになります。

性質・条件燃焼のしやすさ
酸化酸化されやすいもの
発熱量大きい
可燃性気体発生しやすい物質
熱伝導率小さい
空気との接触面積大きい(微粉状の固体、霧状の液体)
水分少ない(乾燥)
温度高い
蒸気圧高い

燃焼のしにくさ・燃焼の難易に関係しないもの

燃焼のしやすさの逆の場合が燃焼のしにくさの条件です。

例えば、熱伝導率でいえば、金属などの熱伝導率が大きい(伝導速度が速い)物質は、部分的に加熱されても熱が速く広く伝わり熱を逃がすことができるので、燃焼はしにくいといえます。

燃焼の難易に関係しないものには、体膨張率、融解熱や気化熱などがあります。

融解熱や気化熱は、物質の状態変化に使われる熱エネルギーですが、物質の温度が変化しない潜熱です。

「~熱」など、言葉に引っかからないよう注意しましょう。

以上

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