危険物乙4の指定数量とは?覚え方の語呂合わせと計算・倍数の問題付き

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危険物乙4を受験するのであれば指定数量の知識は必須ですが、指定数量とは何かを理解できていない人もいるのではないでしょうか。

本記事では危険物乙4を日本トップクラスに熟知している私カイトが、指定数量とは何か・指定数量の倍数とは何かについて解説した後、指定数量の覚え方の語呂合わせや計算問題をご紹介します。

指定数量は危険物乙4で頻出なので、必ずチェックしておきましょう。

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危険物乙4の指定数量とは?わかりやすく解説!

危険物乙4で登場する指定数量とは、危険物の危険性を考慮して政令で定める数量のことです。

※危険物とは火薬などの爆発性物質や引火性物質、毒激性物質などの総称です。

指定数量には以下6つの特徴があるので、危険物乙4を受験予定の人は必ず覚えておきましょう。

1:消防法では、指定数量以上の危険物を製造所、貯蔵所、取扱所(以下、「製造所等」とする)以外の場所で貯蔵し、または取り扱うことが禁じられています。

2:同じ品名であっても、性質に応じた指定数量が定められています。例えば、第4類の第1石油類には「非水溶性液体」と「水溶性液体」がありますが、それぞれの指定数量が定められています。

※危険物の性質については「危険物乙4の性質の覚え方を語呂合わせで紹介!性質の問題例は?」で詳しく解説しているので、ぜひ参考にしてください。

3:危険性の高い危険物には指定数量が少なく、危険性の低い危険物には指定数量が多く定められています。

4:指定数量以上の危険物を貯蔵し、または取り扱う製造所等においては、位置・構造・設備などに関する技術上の基準や、貯蔵・取扱いに関する基準が法令上で定められています。

5:指定数量の倍数によって、製造所等に定められた技術上の基準や貯蔵・取扱いの基準が異なる場合があります(倍数の詳細は後ほど解説します)

6:指定数量未満の危険物を貯蔵し、または取り扱う場合は、市町村の火災予防条例で貯蔵・取扱いの基準が定められています。

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第4類の危険物の指定数量と覚え方の語呂合わせ

第4類の危険物の指定数量は以下の通りです。

危険物乙4を受験する人は必ず覚えておきましょう。

<第4類の危険物の指定数量(政令別表第三)>

品名水溶性危険物指定数量
特殊引火物非水溶性ジエチルエーテル、二硫化炭素50L
水溶性アセトアルデヒド、酸化プロピレン50L
第1石油類非水溶性ガソリン、ベンゼン、トルエン、n-ヘキサン、酢酸エチル、メチルエチルケトン200L
水溶性アセトン、ピリジン、ジエチルアミン400L
第2石油類非水溶性灯油、軽油、クロロベンゼン、キシレン、n-ブチルアルコール1,000L
水溶性酢酸、プロピオン酸、アクリル酸2,000L
第3石油類非水溶性重油、クレオソート油、アニリン、ニトロベンゼン2,000L
水溶性エチレングリコール、グリセリン4,000L
第4石油類非水溶性ギヤー油、シリンダー油、タービン油6,000L
アルコール類水溶性メタノール、エタノール、n-プロピルアルコール、イソプロピルアルコール400L
動植物油類非水溶性ナタネ油、アマニ油(乾油性)10,000L

政令別表第三の備考には「非水溶性とは、水溶性液体以外のものである」と記載されています。

水溶性液体とは、1気圧において、温度20℃で同容量の純水と緩やかにかき混ぜた場合に、流動がおさまった後も当該混合液が均一な外観を維持するもののことです。

指定数量の覚え方の語呂合わせは以下の3つです。

※「危険物乙4の語呂合わせ・覚え方54選!危険物乙4受験者は必ず覚えておこう!」もぜひ参考にしてください。

<指定数量の語呂合わせ:その1>

指名されたゴジラとお風呂よ

  • 指定された=指定数量
  • ご=50L(特殊引火物)
  • じら=200L(第1石油類)
  • とお=1,000L(第2石油類)
  • ふ=2,000L(第3石油類)
  • ろ=6,000L(第4石油類)
  • よ=400L(アルコール類)

<指定数量の語呂合わせ:その2>

動植物は1万

  • 動植物=動植物油類の指定数量は
  • 1万=10,000L

<指定数量の語呂合わせ:その3>

123水煮

  • 123=第1石油類、第2石油類、第3石油類の
  • 水=水溶性のものは
  • 煮(に)=2(指定数量が2倍)

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第4類を除く危険物の指定数量

本記事では、第4類を除く危険物の指定数量もご紹介しておきます。

こちらは余力があれば覚えておきましょう。

<第4類を除く危険物の指定数量(政令別表第三)>

種別品名性質指定数量
第1類第1種酸化性固体50kg
第2種酸化性固体300kg
第3種酸化性固体1,000kg
第2類硫化りん100kg
赤りん100kg
硫黄100kg
第1種可燃性固体100kg
鉄粉500kg
第2種可燃性固体500kg
引火性固体1,000kg
第3類カリウム10kg
ナトリウム10kg
アルキルアルミニウム10kg
アルキルリチウム10kg
第1種自然発火性物質および禁水性物質10kg
黄りん20kg
第2種自然発火性物質および禁水性物質50kg
第3種自然発火性物質および禁水性物質300kg
第5類第1種自己反応物質10kg
第2種自己反応物質100kg
第6類300kg

危険物乙4:指定数量の倍数とは?計算方法は?

同一の製造所等で貯蔵し、または取り扱う危険物の数量が指定数量を超えるときに算出する数値を指定数量の倍数といいます。

指定数量の倍数が1以上の場合に、消防法の規制を受けることになります。

指定数量の倍数は危険物の数量をその危険物の指定数量で割ることによって計算します。

同一の製造所等において2種類以上の危険物を貯蔵し、または取り扱う場合は、それぞれの危険物の指定数量の倍数の合計が、その製造所等の指定数量の倍数になります。

計算方法は、それぞれの危険物の数量をそれぞれの指定数量で割り、その数値を合計して求めます。

説明だけだとわかりにくいと思うので、例題を1問解いてみましょう。

※「危険物乙4の計算問題で必要な公式まとめと過去問に似た例題!難しい?捨てるのはあり?」もぜひ合わせてご覧ください。

【例題】

ある1つの貯蔵所において、ガソリン2,000L、灯油1,000L、重油1,000Lを貯蔵している。この貯蔵所の指定数量の倍数はいくつか求めなさい。

【解答&解説】

ガソリン、灯油、重油の指定数量は以下の通りです。

  • ガソリン=200L
  • 灯油=1,000L
  • 重油=2,000L

よって、指定数量の倍数は2,000÷200 + 1,000÷1,000 + 1,000÷2,000=10+1+0.5=11.5・・・(答)となります。

この貯蔵所は、指定数量の倍数11.5の危険物を貯蔵していることになります。

危険物乙4:指定数量の練習問題

最後に、本番の危険物乙4で出題される問題の難易度に近い指定数量の練習問題を3問ご用意しました。

※「危険物乙4の合格率推移!難しくなった?難易度は?難しいから諦める人も?」もぜひ参考にしてください。

危険物乙4を受験予定の人はぜひ解いてみてください。

【問題1】

第4類危険物の指定数量の説明として、誤っているものはどれか。1つ選びなさい。

  1. 特殊引火物の指定数量は、第4類危険物の中で最大である。
  2. 第1石油類の水溶性物質とアルコール類の指定数量は、同一である。
  3. 第1石油類、第2石油類および第3石油類は、水溶性と非水溶性物品とでは、指定数量が異なる。
  4. 第2石油類の水溶性物品と第3石油類の非水溶性物品の指定数量は、同一である。
  5. 第4石油類はアルコール類より指定数量が多い。

【解答&解説】

正解は1・・・(答)です。

上記でご紹介した<第4類の危険物の指定数量(政令別表第三)>をご覧いただくとわかる通り、特殊引火物の指定数量は50Lであり、第4類危険物の中では最小です。

【問題2】

屋内貯蔵所において引火性液体Aを2,000L貯蔵している。Aは非水溶性で、1気圧において引火点が-10℃である。Aの指定数量の倍数として、正しいものを1つ選びなさい。

  1. 2.0
  2. 4.0
  3. 8.0
  4. 10.0
  5. 20.0

【解答&解説】

正解は4・・・(答)です。

設問の条件である引火性液体で、非水溶性、1気圧において引火点が-10℃であるということは、第4類危険物の第1石油類(1気圧において、引火点が21℃未満)であることがわかります。

第1石油類(非水溶性)の指定数量は200Lなので、答えは2,000÷200=10[倍]となります。

ちなみにですが、この危険物はベンゼンです。

【問題3】

複数の危険物A、B、Cを同一の貯蔵所で貯蔵する場合の指定数量の倍数の求め方として、正しいものを1つ選びなさい。

  1. A、B、Cの貯蔵量の和をA、B、Cの指定数量の和で除す。
  2. Aの指定数量をAの貯蔵量で除し、Bの指定数量をBの貯蔵量で除し、Cの指定数量をCの貯蔵量で除して、それぞれに得た数値を合計する。
  3. Aの貯蔵量をAの指定数量で除し、Bの貯蔵量をBの指定数量で除し、Cの貯蔵量をCの指定数量で除して、それぞれに得た数値を合計する。
  4. Aの貯蔵量をAの指定数量で除し、Bの貯蔵量をBの指定数量で除し、Cの貯蔵量をCの指定数量で除して、それぞれに得た数値を乗じる。
  5. A、B、Cの貯蔵量の和をA、B、Cのそれぞれの指定数量を乗じた数値で除す。

【解答&解説】

正解は3・・・(答)です。

指定数量の倍数計算の基本は「貯蔵量÷貯蔵する危険物の指定数量」です。

複数の異なる危険物を同一場所で貯蔵する場合は、それぞれの倍数の合計となります。

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今回は危険物乙4の指定数量とは何かについて解説していきました。

指定数量は危険物乙4の頻出分野です。倍数の計算も必ずできるようにしておきましょう。