
本記事では危険物乙4で登場する第2石油類とは何かについて解説していきます。
第2石油類の分野では酢酸・プロピオン酸など試験頻出の液体が登場するので、危険物乙4を受験予定の人は必ず暗記しておきましょう。
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第2石油類に共通する性質
第2石油類には、第1石油類と同様に非水溶性液体と水溶性液体があります。
非水溶性液体の代表格は灯油と軽油です。
消防法上の第2石油類とは、灯油、軽油、その他1気圧において引火点が21℃以上70℃未満のものをいいます。
第4類の危険物に共通する性質のほかに、第2石油類に共通する性質は以下の通りです。
1:比重は1より大きい(水より重い)ものがある。
2:引火点は常温(20℃)より高く、常温では引火の危険性はない。
第2石油類の主な非水溶性液体(指定数量1,000L)
※指定数量の詳細は「危険物乙4の指定数量とは?覚え方の語呂合わせと計算・倍数の問題付き」をご覧ください。
第2石油類の主な非水溶性液体には、灯油、軽油、クロロベンゼン、キシレン、n-ブチルアルコールがあります。
灯油と軽油は原油から分留して得られる石油製品です。分留とは、液体の混合物を蒸留し、沸点の差を利用していくつかの成分に分けることをいいます。
灯油や軽油をガソリンと混合すると、引火する危険性が高くなります。
クロロベンゼンは、比重が1より大きい(水より重い)危険物で、若干の麻酔性があります。
キシレンには、オルト(o-)キシレン、メタ(m-)キシレン、パラ(p-)キシレンの3種類の異性体があります。
n-ブチルアルコールは飽和1価アルコールですが、炭素数が4のためアルコール類ではなく第2石油類に分類されています。
また、第2石油類の非水溶性液体は、流動などにより静電気を発生しやすい危険物です。
それぞれの詳しい性質などは以下の表の通りです。
<第2石油類の主な非水溶性液体>
危険物名 | 性質等 | |
---|---|---|
灯油(混合物) [別名:ケロシン] | ●無色またはやや黄色の液体で、特異臭がある。 ●比重0.8程度 ●蒸気比重4.5 ●沸点範囲145~270℃ ●引火点40℃以上 ●発火点220℃ ●燃焼範囲1.1~6.0vol% ●炭素数11~13℃炭化水素が主成分である。 ●水に溶けない。 ●油脂などを溶かす。 ●市販の白灯油の引火点は、一般に45~55℃である。 ●ストーブの燃料や溶剤などに使用される。 ●過熱などにより液温が引火点以上になると、ガソリン並みに引火する危険性が高くなる。 ●霧状に浮遊する場合や、布などに染み込んだ場合、空気との接触面積が大きくなるため、引火する危険性が高くなる。 ●流動などにより、静電気を発生しやすい。 ●ガソリンと混合すると、引火の危険性が高くなる。 | |
軽油(混合物) [別名:ディーゼル油] | ●淡黄色または淡褐色の液体 ●比重0.85程度 ●蒸気比重4.5 ●沸点範囲170~370℃ ●引火点45℃以上 ●発火点220℃ ●燃焼範囲1.0~6.0vol% ●水に溶けない。 ●ディーゼル機関の燃料に使用される。 ●加熱などにより液温が引火点以上になると、ガソリン並みに引火する危険性が高くなる。 ●霧状に浮遊する場合や、布などに染み込んだ場合、空気との接触面積が大きくなるため、引火する危険性が高くなる。 ●流動などにより、静電気を発生しやすい。 ●ガソリンと混合すると、引火の危険性が高くなる。 | |
クロロベンゼン C6H5Cl | ●無色透明の液体で、特有の芳香と味がある。 ●比重1.1 ●蒸気比重3.88 ●融点-44.9℃ ●沸点132℃ ●引火点28℃ ●発火点590℃ ●燃焼範囲1.3~9.6vol% ●水に溶けないが、アルコール、ジエチルエーテルには溶ける。 ●若干の麻酔性がある。 ●加熱などにより液温が引火点以上になると、ガソリン並みに引火する危険性が高くなる。 ●霧状に浮遊する場合や、布などに染み込んだ場合、空気との接触面積が大きくなるため、引火する危険性は高くなる。 | |
キシレン C6H4(CH3)2 [別名:キシロール] | ●無色の液体で、特有の臭気がある。 ●3種類の異性体がある。 ●水に溶けないが、ベンゼン、トルエンなどの有機溶剤にはよく溶ける。 ●蒸気は有毒である。 | |
o-キシレン | ●比重0.88 ●蒸気比重3.7 ●融点-25℃ ●沸点144℃ ●引火点32℃ ●発火点463℃ ●燃焼範囲0.9~6.7vol% | |
m-キシレン | ●比重0.86 ●蒸気比重3.7 ●融点-48℃ ●沸点139℃ ●引火点27℃ ●発火点527℃ ●燃焼範囲1.1~7.0vol% | |
p-キシレン | ●比重0.86 ●蒸気比重3.7 ●融点13℃ ●沸点138℃ ●引火点27℃ ●発火点528℃ ●燃焼範囲1.1~7.0vol% | |
n-ブチルアルコール CH3(CH2)3OH [別名:1-ブタノール] | ●無色透明の液体で、特異臭がある。 ●比重0.81 ●蒸気比重2.6 ●融点-90℃ ●沸点117℃ ●引火点29℃ ●発火点345℃ ●燃焼範囲1.4~11.2vol% ●炭素数が4であるため、アルコール類には分類されない。 ●水に溶けないが、多くの有機溶剤によく溶ける。 |
第2石油類の主な水溶性液体(指定数量2,000L)
第2石油類の主な水溶性液体には、酢酸、プロピオン酸、アクリル酸があります。
第2石油類の水溶性液体は、水にも有機溶剤にも溶けます。
酢酸は、比重が1より大きい(水より重い)危険物で、高濃度のものを氷酢酸といいます。
金属やコンクリート、皮膚に対して腐食性があり、高純度品よりも水溶液のほうが強い腐食性を持ちます。
エタノールと反応して酢酸エステルを生成します。
プロピオン酸は、腐食性を有する危険物です。
アクリル酸は、比重が1より大きい(水より重い)危険物で、重合による反応熱により火炎、爆発の危険性があります。
火災が発生して泡消火剤を用いるときは、水溶性液体には一般的な泡消火剤は適応しないため、水溶性液体用泡消火剤を使用して消火します。
それぞれの詳しい性質は以下の表の通りです。
<第2石油類の主な水溶性液体>
危険物名 | 性質等 |
---|---|
酢酸 CH3COOH | ●無色透明の液体で、刺激臭がある。 ●比重1.05 ●蒸気比重2.1 ●融点16.7℃ ●沸点118℃ ●引火点39℃ ●発火点463℃ ●燃焼範囲4.0~19.9vol% ●約17℃以下になると凝固する。 ●弱酸性を示す。 ●水、エタノール、ジエチルエーテルなどの有機溶剤によく溶ける。 ●エタノールと反応して酢酸エステルを生成する。 ●酢酸濃度が96%のものを一般に氷酢酸という。 ●食酢は、酢酸の3~5%の水溶液である。 ●金属やコンクリートを腐食し、高純度品よりも水溶液のほうが腐食性は強い。 ●皮膚を腐食し、やけどを起こす。 ●濃い蒸気を吸入すると、粘膜を刺激し炎症を起こす。 ●コンクリートを腐食させるため、貯蔵場所などの床のコンクリート部分はアスファルトなどの腐食しない材料を使用する。 ●一般の泡消火剤ではなく、水溶性液体用泡消火剤を用いる。 |
プロピオン酸 CH3CH2COOH | ●無色透明の液体 ●比重0.99 ●蒸気比重2.6 ●沸点141℃ ●引火点52℃ ●発火点465℃ ●燃焼範囲2.1~12vol% ●弱酸性を示す。 ●水、ベンゼン、アルコール、クロロホルム、ジエチルエーテル、アセトンによく溶ける。 ●強い腐食性があり、多くの金属をおかす。 ●皮膚に触れるとやけどする。 ●濃い蒸気を吸入すると、粘膜を刺激し炎症を起こす。 ●コンクリートを腐食させるため、貯蔵場所などの床のコンクリート部分はアスファルトなどの腐食しない材料を使用する。 ●一般の泡消火剤ではなく、水溶性液体用泡消火剤を用いる。 |
アクリル酸 CH2=CHCOOH | ●無色透明の液体 ●比重1.05 ●蒸気比重2.5 ●沸点141℃ ●引火点51℃ ●発火点438℃ ●燃焼範囲2.4~8vol% ●弱酸性を示す。 ●水、ベンゼン、アルコール、クロロホルム、ジエチルエーテル、アセトンによく溶ける。 ●反応性が高く、重合しやすい。 ●重合による反応熱で火災、爆発の危険性がある。 ●強い腐食性があり、多くの金属をおかす。 ●皮膚に触れるとやけどする。 ●濃い蒸気を吸入すると、粘膜を刺激し炎症を起こす。 ●コンクリートを腐食させるため、貯蔵場所などの床のコンクリート部分はアスファルトなどの腐食しない材料を使用する。 ●一般の泡消火剤ではなく、水溶性液体用泡消火剤を用いる。 |
以上
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