危険物乙4:金属と非金属の性質比較・有機化合物について解説!官能基とは?

危険物乙4:金属と非金属の性質比較・有機化合物について解説!官能基とは?のアイキャッチ画像

今回は危険物乙4の物理・化学の試験範囲の一部である金属と有機化合物を取り上げます。

※物理・化学の詳細は「危険物乙4の物理化学は難しい?過去問や覚え方・ポイントや計算問題は?」をご覧ください。

具体的には非金属の性質や有機化合物・官能基とは何かについてわかりやすく解説していきます。

危険物乙4を受験予定の人は必ずチェックしておきましょう。

ちなみにですが、危険物乙4にはたった10時間の勉強で合格できる方法があります。

これさえあれば限りなく少ない努力で合格に大きく近づきます。

これは私が5年以上も危険物乙4の研究を続ける中で生み出した、どの本にも載っていない超コスパの良い究極の勉強法です。

興味ある人はぜひ以下のボタンからその方法をチェックしてください。

記事内バナー

金属・非金属の性質と炎色反応

金属は私たちの生活の周囲にあふれていますが、中には危険物に含まれる金属もあるので注意が必要です。

まず前提として、元素は金属と非金属に大別できます。

金属の代表的なものには、鉄やアルミニウム、亜鉛、ナトリウムなどがあります。

非金属の代表的なものには、窒素や酸素、水素、硫黄などがあります。

金属と非金属の一般的な性質の比較を以下の表にまとめます。

性状金属非金属
状態常温で固体(例外として水銀は液体)常温では固体、液体、気体がある。
光沢金属光沢がある。金属光沢がない。
比重大きい(リチウム、ナトリウム、カリウムを除く)小さい
融点一般に高い(ナトリウム、カリウムを除く)物質による。
熱や電気の伝導性良導体不良導体
展性・延性あるない

以上の表を含めて、金属の特徴をまとめると以下のようになります。

• 状態:常温で固体ではあるが、唯一水銀は液体である。

• 比重:一般に比重は大きい。

※比重の詳細は「危険物乙4:密度と比重・気体の性質をわかりやすく解説!試験頻出なので必見です」をご覧ください。

・リチウム(0.5)、ナトリウム(0.97)、カリウム(0.9)のように比重が1より小さいものもある。

・金属のうち比重が4以下のものは軽金属に分類され、4より大きいものは重金属に分類される。軽金属には、アルミニウムやカリウム、カルシウムなどがある。

• 融点:一般に非常に高いが、融点の低い金属にはナトリウム(98℃)、カリウム(64℃)がある。

• 無機酸との反応:ほとんどの金属が無機酸(塩酸や硫酸など)と反応して水素を発生する。ただし、白金や金は無機酸と反応しない。

• 燃焼性:不燃性の金属が多いが、リチウム、ナトリウム、カリウム、カルシウムなどは、燃焼して炎色反応を示す。

炎色反応

リチウム、ナトリウム、カリウム、カルシウムなどを炎の中に入れるとその金属特有の色を発します。

この現象を炎色反応といいます。

主な金属の炎色反応による光の色は以下の表の通りです。

金属
リチウム
ナトリウム
カリウム
カルシウム
ストロンチウム
バリウム

🔽 本にも載ってない極秘情報 🔽

記事内バナー

金属のイオン化傾向

単体の金属は、水または水溶液中で電子を放出して陽イオンになります。

また、金属が化合物になるときも、その金属は陽イオンになります。

金属の陽イオンになる性質を、イオン化傾向といいます。

イオン化傾向の大きな金属は酸化されやすく、電子を相手に与える還元作用が強いといえます。

そして、イオン化傾向の大きいものから順に並べたものをイオン化列といいます。

イオン化列は以下の語呂合わせで覚えることをおすすめします。

※危険物乙4で使える語呂合わせをもっと知りたい人は「危険物乙4の語呂合わせ・覚え方54選!危険物乙4受験者は必ず覚えておこう!」をご覧ください。

リッチ借りかな?まあ会えん!手にするな!酷すぎる借金

以下の表は、イオン化列と語呂合わせを合わせて示したものです。表の上にある金属ほどイオン化傾向が大きく、下にある金属ほど小さいです。

金属語呂合わせ
Li(リチウム)リッチ
K(カリウム)借り
Ca(カルシウム)
Na(ナトリウム)
Mg(マグネシウム)
Al(アルミニウム)
Zn(亜鉛)会えん
Fe(鉄)
Ni(ニッケル)
Sn(すず)する
Pb(鉛)
H2(水素)
Cu(銅)
Hg(水銀)
Ag(銀)ぎる
Pt(白金)
Au(金)

金属の腐食

危険物が金属性の缶やタンクに保管されたり、金属性の配管が用いられていたりすると、金属が腐食した場合は危険物の流出につながります。

一般に、金属の腐食は、周囲の環境に影響されて金属がイオンとして溶け出したり、さびなどの金属酸化物になったりすることによって起こります。

鉄の腐食は一般にさびとして現れ、赤さびは内部まで進行します。

一方、鉄の表面を高温で酸化すると表面に黒い酸化鉄の膜が生じます。

これが黒さびです。

黒さびは内部まで進行しません。

黒さびをつくって内部まで進行する赤さびを防ぐ方法もあります。

腐食の進みやすさ

一般に、金属の腐食が進行しやすい環境は以下のような場合です。

• 鉄の配管で、鉄よりイオン化傾向の小さい金属と接続している。

• 酸性の強い土壌の場所にある。

• 乾燥した土と湿った土など土質が違う場所を配管などが貫通している。

• 空気(酸素)と水分が存在する場所にある。

• 鉄が塩分を含む場所にある。

• 直流電気鉄道の近い場合は、迷走電流(回路から漏れた電流)により土中の鉄の腐食が進む。

• 中性化の進んだコンクリートの中に埋設されている場合は、鉄筋の腐食が進む。

腐食の防止方法

金属の腐食を防ぐには以下のような方法があります。

• エポキシ樹脂塗料のような防錆剤を塗覆し、空気や水分との接触を防ぐことによって、腐食を防止できる。ただし、施工時に塗覆を傷つけないように注意する。

• 鉄の配管では、マグネシウム、アルミニウム、亜鉛などの鉄よりイオン化傾向の大きい金属と接続すると、それらの金属が鉄の代わりに腐食を受けるため、鉄は防食作用を受ける。

• 腐食しないプラスチックを用いる。

• 地下水との接触を避ける。

• 配管をピット内に設ける。

• 電気防食設備を設ける。または防食剤を活用する。

• コンクリート貫通部にはさや管を設ける。

• pH12以上の強塩基性に保たれた正常なコンクリートの中に埋設する。pH12以上のコンクリートであれば、鉄筋などは安定な不動態(表面に形成された皮膜)を形成し腐食が進行しない。

有機化合物の性質

ここからは有機化合物について解説していきます。

まず前提として、第4類の危険物は有機化合物です。

炭素原子に水素、窒素、酸素などが共有結合で結びつき、決まった分子構造を持つ化合物を有機化合物といいます。

※簡単に言うと、炭素を含む化合物が有機化合物で、有機物以外の塩や金属化合物が無機化合物です。

有機化合物には必ず炭素と水素が含まれています。

これに窒素や酸素を含むことがあり、さらに他の元素(硫黄、リンなど)が加わっていることもあります。

炭素原子を含んでいても、一酸化炭素や二酸化炭素などは、有機化合物ではなく無機化合物に分類されています。

有機化合物の性質は以下の通りです。

性質
構成元素炭素(C)、水素(H)、窒素(N)、酸素(O)が主体である。
燃焼性一般に、可燃性を有し、空気中で完全燃焼すると二酸化炭素と水を生じ、不完全燃焼では有毒な一酸化炭素を生じる。
融点・沸点一般に低い。ただし分子量が大きくなると沸点は高くなる。
電離非電解質のものが多い。
水溶性等一般に水に溶けにくく、有機溶媒(アセトン、ジエチルエーテルなど)によく溶ける。ただし、炭素数3以下のアルコール、アセトン、ピリジン、酢酸などは水によく溶ける。
反応速度等一般に、反応は遅く、多様な反応があり反応機構も複雑である。

有機化合物の官能基による分類

有機化合物の分子構造に含まれる原子や原子団のうち、その化合物の性質を特徴づけるものを官能基といいます。

※原子団=共有結合によって結ばれた原子の集団のこと。

同じ官能基を持つ有機化合物には似たような性質があります。

有機化合物を官能基によって分類すると以下の表のようになります。

官能基性質化合物の例
メチル基―CH3疎水性(※1)メタン
エチル基―C2H5疎水性エタン
フェニル基―C6H5疎水性ベンゼン
水酸基(ヒドロキシル基)―OH親水性(※2)エタノール
カルポニル基(アルデヒド基)―CHO中性。還元性アセトアルデヒド
カルポニル基(ケトン基)
 CO
中性アセトン
カルポキシル基―COOH親水性。弱酸性酢酸
ニトロ基―NO2中性ニトロベンゼン
アミノ基―NH2弱塩基性アニリン
スルホ基(スルホン酸基)―SO3H酸性ベンゼンスルホン酸

※1:水に溶けにくく油に溶けやすい性質のこと。

※2:水に溶けやすい性質のこと。

以上

🔽 本にも載ってない極秘情報 🔽

記事内バナー